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経営戦略

ビジネスモデル

「音」と「音楽」に特化した事業展開

当社は、ビギナーからプロフェッショナルまでの幅広い顧客層を対象に開発したクリエイティブなオーディオ機器やサービスを、約130か国で販売するグローバル企業です。
日本の本社は製品開発とマーケティングに特化し、海外での販売は当社グループ企業や販売代理店を通じて行っています。また、生産は海外のEMS企業に委託して工場を持たないファブレス体制を敷いています。

当社製品のターゲット市場は、世界中の「音」にこだわるクリエイターです。このようなクリエイター市場の規模は、大手企業では採算が取れず、参入が困難という側面がある一方、今後成長が期待できる市場です。
当社は、固定費率の低いファブレス企業として製品開発に経営資源を集中させることで、「音」と「音楽」に関連するクリエイター市場を継続的に開拓し、ユーザー層の拡大とともに事業の成長を図っています。

  • EMS企業:EMSはElectronics Manufacturing Serviceの略であり、EMS企業とは電子機器の受託生産を行う会社

グローバルな開発・生産・販売体制(強み)

開発体制

当社商品の企画や開発を行うのは社員の約半数を占めるエンジニアで、そのほとんどが音楽制作、楽器の演奏、映像制作に親しんだ経験を持っています。海外の販売子会社と連携してクリエイターの動向を把握するグローバル視点と、自分自身の経験に基づいたエンドユーザー視点に加え、「機能、性能、価格、外観、操作性などに何らかの“世界初”を取り入れる」「デジタル信号処理を中心に長年培った“音の技術”の蓄積」といった高い技術力により、他社と差別化された価値を提供しています。
製品開発は、トップも含めた意思決定の早い組織により、商品の企画から量産まで一年を要さないスピーディな開発を行っております。並行して、専門チームによる未来に向けた新規技術の開発にも取り組んでおります。

生産体制

当社は中国や東南アジアのEMS企業に生産を委託して工場を持たないファブレス体制を敷いております。クリエイターの満足度を向上させるためにも、不良率0.1%未満達成の目標を掲げており、工場における品質は当社の厳格な基準により管理されています。

販売体制

当社の製品は、子会社を含めた海外の輸入販売代理店へ販売され、そこから各地域の小売業者(楽器小売店、業務用機器販売店、家電量販店、オンライン販売業社など)に再販売しています。ブランディングやマーケティングは全世界で共通のコンテンツやコピーを使用することで、国や地域によらない、統一された高い品格のイメージの確立を図っております。

地域別売上高構成比

地域別売上高構成比 円グラフ。売上高17,901百万円。中央ヨーロッパ35%、北米25%、南ヨーロッパ15%、日本14%、中国1%、その他10%。※2023年12月実績

売上高の約85%が海外向けであり、国内よりもむしろ海外でブランドが浸透しています。ZOOM製品の最大の市場は米国ですが、2023年1月にSound Service Groupが連結子会社となったため、地域別売上割合は中央ヨーロッパ(ドイツ、ベネルクス3国、オーストリア、ポーランド、チェコ、スロバキア、バルト3国等を含む地域)の売上が35%、次いで北米が25%、南ヨーロッパ(イタリア、フランス、スペイン、ポルトガル等を含む地域)が15%、日本が14%と続きます。

製品カテゴリー別売上高構成比

製品カテゴリー別売上高構成比 円グラフ。売上高17,901百万円。ハンディオーディオレコーダー(HAR)23%、プロフェッショナルフィールドレコーダー(PFR)11%、デジタルミキサー/マルチトラックレコーダー(DMX/MTR)10%・マルチエフェクター(MFX)9%・ハンディビデオレコーダー(HVR)3%・その他7%、他社ブランド(Mogar取扱いブランド、フックアップ取扱いブランド、Sound Service取扱いブランド)37%。※2023年12月実績

事業セグメントは音楽用電子機器のみの単一ですが、製品カテゴリーはアーティストやクリエイターの多様なニーズに応えられるよう多岐にわたります。

成長戦略

当社ロゴの真ん中の“∞”は無限大(インフィニティ)記号をあしらっています。当社は、ともすれば相反するような2つのサイクルを、ちょうど“∞”のような、相互に循環する形で結び付けます。当社の強みをこのインフィニティ・サイクルによりさらに高め、独自なものとすることで持続的な成長を実現します。

インフィニティ・
サイクル
01

知の深化と知の探索サイクルを結び付ける

主力事業を絶え間なく進化させる「知の深化」と、新しい技術への挑戦である「知の探索」という二つのサイクルを循環させることで、既存技術と新技術を掛け合わせた新分野の開拓を実現します。

インフィニティ・
サイクル
02

プロダクト・アウト思考とマーケット・イン思考のサイクルを結び付ける

自らの経験に基づいた商品の提案は、市場にまだない商品を生み出す可能性がある一方、独りよがりな提案になる可能性があります。一方、市場の課題を解決する商品の提案は、他社との差別化が難しいという側面があります。当社はその二つのサイクルを循環させることで、クリエイターのニーズの本質を捉えつつ、挑戦的で革新的な商品企画を実現します。

インフィニティ・
サイクル
03

マーケットリーダー戦略とニッチャー戦略のサイクルを結び付ける

当社には、クリエイター向け録音機器のトップランナーという側面と、録音機器以外においてはニッチなニーズに寄り添い、ニーズを創出しようと試みる挑戦者という側面があります。当社特有のこの二つのサイクルを循環させることで、挑戦し続けるトップランナー、市場の大枠を捉え、市場を拡大するニッチャーという、独自のポジショニングを実現します。