当社は、第1次中期経営計画で株式上場を、第2次中期経営計画では連結売上高100億円を目標とし、そのいずれをも達成することができました。この結果は決して当社の努力だけで成し得たものではなく、全てのステークホルダの皆様のご支援があってこその成果であり、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。現在は第3次中期経営計画2021-2023に取り組んでおりますが、その達成にも引き続きステークホルダの皆様のご協力が不可欠である事を踏まえ、「全てのステークホルダへの適切な利益配分」をその計画の中核に据えております。詳細は公表されている中期経営計画をご覧いただきたいと存じますが、計画本文には述べられていない背景について、若干のご説明を致します。

 

 まず、この計画は一般的な開示資料とは大きくその主旨が異なっており、投資判断としての資料と言うよりは、社員・役員が進むべき道を示す指標という位置付けであることから、その文調が説諭的になっていることをご理解願いたく存じます。

 

 次に、ステークホルダは通常「利害関係者」と訳されますが、この計画においては「利害共有者」としました。当社の利益が当該関係者の利益でもあり、当社の損害は当該関係者の損害でもある事を明確にするだけではなく、当社にとっての利益が当該関係者の損害であってはならない、という観点から「関係者」ではなく「共有者」としました。

 

 その利害共有者への利益配分を定義するに当たって、その背景が詳細に述べられていますが、簡単に言えば、その時々の流行り廃りに流されることなく、普遍的な価値観で経営し、行動しよう、ということに尽きます。正義とは何か、という命題には立場の違いや価値観の違い、宗教観の違い、時代背景などから、一義的な答えを得る事は困難かも知れませんが、経営とは何か、という命題には長い時間をかけて実証されてきた普遍性のある答えや法則があるはずです。

 

 私が普遍性や法則性を重視する原点は、中学校の数学で初めて学んだ証明問題にあります。普遍的定理を用いて様々な仮説を証明していく、という課題に大変に興味を持ち、友人たちが嫌っていた数学も楽しく勉強する事ができました。それが私のマインドセットに多大な影響を与え、高校の理系コースから大学の電気工学科へと進学、社会人になり、やがて会社を創業してからは、経営やビジネスにおいても「ピタゴラスの定理」のような美しい法則が存在するはずだ、という信念を持つに至りました。

 

 そこで、そのピタゴラスの定理ほどの普遍性はありませんが、新たに経営規範5カ条*1を定め、従来から運用していた商品開発5カ条*1と行動規範5カ条*1も、より明確でわかり易く修正しました。今後100年間、会社の存続する限りこれら5カ条のアップデートを続け、いつの日かそれらが「美しい法則」となる事を望んでおります。

 

 今後とも、ステークホルダの皆様の変わらぬご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。 

 

*1 経営規範5カ条、商品開発5カ条、行動規範5カ条は、第3次中期経営計画2021-2023に記載しております。

2021年2月

代表取締役CEO 飯島 雅宏